横浜駅SF

前回はカクヨム発のSFを紹介したので今回も同じくカクヨムに連載され書籍化されたSF,「横浜駅SF」を紹介したいと思います。 多分皆さんなら一度は横浜駅に行ったことがあると思いますが、いつもどこかを増改築してると思います。周囲の状況に合わせて増改築を延々と繰り返して行く様を生物のようだ、と作者の柞刈湯葉がツイートしたところバズり、ツイッター上で簡単なあらすじを周囲に乗せられて作ります。その後さらに改稿を重ね、カクヨムに連載されました。 増改築の果てに横浜駅が自己増殖を開始して数百年、本州の99%は横浜駅に覆われ、自動改札に排除されないためのSUICAを脳内持たない人間はわずかに残る横浜駅の外で横浜駅から流れてくる物資をもとに生活していました。 そんな非SUICA民である三島ヒロトのもとに古代地層から発掘されたと言われる18切符を持った人物が横浜駅から追放されてきます。 彼から18切符を受け取り、かつて同じようにヒロトの住む場所に流れ着いた教授と呼ばれる人物から答えは42番出口にある、といわれヒロトの旅が始まります。 他にも青函トンネルからの横浜駅侵攻を食い止めるために送り込まれたJR北日本工作員との出会いやや下関海峡で横浜駅を迎撃するJR福岡の脱走兵など様々な人物が登場し、奇妙な世界を冒険します。 一発ネタのように見える本作ですが、作者がこれまで紹介してきた様々な作品をこの後書いていくことからも分かるようにしっかりと作りこまれています。他にも各章の題名が有名SFのパロディになっていたり、42などあちこちにネタが散りばめられています。 これもカクヨム連載なので改稿前の分はネットで無料公開されています。また漫画版も全話無料公開されているので是非どうぞ。 kakuyomu.jp web-ace.jp