本紹介-宇宙
タイトル通り、これまで読んできた中で世代宇宙船を扱ったSF小説をざっくりとまとめていきます。 宇宙の孤児 ハイラインの書いた世代間宇宙船ものの大本といえる一冊。 長い旅路の中でかつての知識は失われ、人々は自分たちの住む場所を「船」と呼ぶが船が何…
今回は同じく事故に見舞われた宇宙ホテルを舞台としたSF小説、「天涯の砦」を紹介したいと思います。 物語の舞台は宇宙ステーション「望天」。最新の宇宙ホテルとして盛況な宇宙ステーションですが、破滅的な事故が発生、ばらばらに分解し宇宙を漂流すること…
お久しぶりです。 今回は「火星の人」(オデッセイというタイトルで映画化)、「アルテミス」の著者アンディ・ウィアーの最新作、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を紹介しようと思います。 主人公はある日、すべての記憶を失ってベッドの上で目を覚まし…
今回は「楽園追放」の公式続編小説「楽園残響」を紹介します。本編の映画を見た後に是非読んでみてください。 とはいえこれは続編であり、物語のあらすじを語った時点で映画のネタバレになってしまいます。 そんなわけでネタバレをさけつつ興味を持ってもら…
今回は未完の歴史改変宇宙開発SF,「遥かなる星」全三巻を紹介しようと思います。 作者である佐藤大輔は仮想戦記作家として有名な人物ですが、シリーズものを途中まで書いて投げ出す悪癖で知られており、残念ながら本シリーズも3巻までで中断しています。また…
今回は宇宙物の趣向を変えてノンフィクション、「スペース・コロニー 宇宙で暮らす方法」を紹介しようと思います。 今年の5月に発売されたブルーバックスで、現在研究中の宇宙で暮らすための技術が著者の研究を含め紹介されています。 第1章はこれまでの宇宙…
さて、時間が空いてしまいましたが二連続でホーガンを紹介したので今回もホーガンの代表作の一つ、「造物主の掟」(ライフメーカーの掟)を紹介しようと思います。 はるか昔、異星人によって作られた採掘用の無人宇宙船は土星のタイタンに着陸し、採掘作業用…
今回紹介するのはJ・P・ホーガンのSF小説、「星を継ぐ者」です。 宇宙を舞台としたSFの中ではかなり有名な一作で、日本で漫画化もされています。 SF的なありえない謎、それを確かな知識と推論を駆使して鮮やかに解いていき途方もない真実にたどり着く、科学…
今回はSFならではの変わった世界を探検する一作、「太陽の中の太陽」を紹介したいと思います。 物語の舞台はヴェガ星系、外縁部の軌道上にはかつて設置された「ヴァーガ」と呼ばれる地球サイズの気球のような構造物がありました。 構造物の中では数々の人工…
なんかそういう気分なので今日は漫画の紹介をします。 今回紹介するのはSF漫画、「宙へ参る」です。 脳以外何でも交換できる時代、脳の病気で死んだ夫の葬式を上げた鵯ソラは夫の遺骨を義母のいる地球へと持っていくためスペースコロニーから地球への旅行を…
この前紹介した「時間封鎖」の続編、「無限記憶」を読んだので今回はそれを紹介したいと思います。 物語は前作「時間封鎖」から数十年後が舞台です。時間封鎖の最後では地球を覆う時間封鎖は解除され、その代わりにインド洋に未知の世界とつながる巨大なアー…
今回は漫画「なつのロケット」を紹介したいと思います。 この漫画の作者は「まんがサイエンス」シリーズの作者でインターステラテクノロジーズにも協力している漫画家あさりよしとおです。MOMOに描いてあるキャラクターの絵を描いている人ですね。 「まんが…
昔から読むつもりで読んでなかった本が新訳版になって本屋で売られていたので今回は思わず買って読んだ「寄港地のない船」を紹介したいと思います。 以前この作者の書いた地球の長い午後を紹介しましたが、今回紹介する寄港地のない船はこの作者の初めて発表…
今回は最近紹介が減ってきた宇宙物のSFを紹介したいと思います。 「バビロニア・ウェーブ」は太陽系のそばに発見された強力なレーザー光束、バビロニア・ウェーブをめぐるハードSFです。 深宇宙探査機の連絡から太陽系から3光日の位置にバビロニア・ウェー…
今回はイーガンの長編の中で僕が一番好きな、「ディアスポラ」を紹介したいと思います。 舞台は25世紀、人類はいまだ肉体を持つ肉体人、電脳世界ポリスに移住した市民、ロボットに宿るグレイズナーの3種に分かれていました。あまたあるポリスの一つ、コニシ…
今回は前回名前だけ出てきたグレッグ・イーガンのSF,「白熱光」を紹介したいと思います。 イーガンは数学の博士号を持っている作家で数学や物理学の知識を駆使した独自設定の世界を展開することで有名です。この白熱光も例にもれず高重力の星を回る星での物…
この前紹介した「三体」の続編、「黒暗森林」をやっと読んだので今回はこれを紹介しようと思います。 前作「三体」で三体世界からの侵略に曝されることが分かった地球。三体世界からの侵略艦隊は4光年を400年かけて進んできます。しかし先んじて三体人が送り…
今回は無重力世界を舞台にしたSF、ラリー・ニーヴンの「インテグラル・ツリー」を紹介しようと思います。 物語の舞台は中性子星レボイの周辺をトーラス上に回転する呼吸可能なガスの塊です。このトーラスの中心付近はガスの濃度が濃く、生命が生存可能ですが…
今回は久しぶりの現実より宇宙SF,「火星無期懲役」を紹介しようと思います。 主人公フランクリン・キッドリッチは麻薬漬けの息子を救うために麻薬の売人を殺して収監された殺人犯で懲役120年を宣告されました(アメリカだと罪は加算方式で刑期が伸びていくの…
いつも真面目な小説ばかり紹介しているので今回はギャグ小説、「銀河ヒッチハイクガイド」を紹介しましょう。 googleで「宇宙・人生・すべての答え」と聞くと多分「42」と答えてくれると思いますが、その元ネタになったSF小説です。 ギャグ小説と書きました…
多分皆さんは三体問題を聞いたことがあると思います。安定解の存在しない問題として有名ですが、この小説、三体に登場するのは3連星系の恒星系に生まれた異星人三体人による地球侵略計画を描いた三部作の第一部になります。 文革時代の中国、科学者であった…
ノンフィクションのコーナーです。 今回紹介するのは「エイリアン 科学者たちが語る地球外生命体」です。 この本は地球外生命体、いわゆるエイリアンについて化学、物理学、生物学、天文学、心理学など様々な分野の専門家たちが語るアンソロジーです。 まず…
今回は林譲治のミリタリーSFシリーズ、「星系出雲の兵站」を紹介したいと思います。 舞台は地球からの播種船によって植民されたと伝わる出雲星系と、その後に植民された壱岐、八島、周防、瑞穂の計5つの星系からなる五星系文明です。地球人類が異星人の脅威…
今回は「重力への挑戦」を紹介したいと思います。 物語の舞台は地球の700倍の重力を持つ惑星メスクリン。ただし、この惑星は惑星自身が変形するほど高速で自転しており、極地では700G ですが赤道付近では3G程度にまで体感重力は減少します。 そんな惑星…
今回は突然月が7つに分裂するところから始まるパニックSF、「7人のイヴ」を紹介したいと思います。 観測の結果、分裂した月は互いに衝突を繰り返し細かい欠片となっていき、数千年にわたって地上に無数の隕石となって降り注ぐ<ハード・レイン>が2年後に始…
今回は谷甲州の連作短編集、「星を創る者たち」を紹介したいと思います。 谷甲州は航空宇宙軍史というシリーズで有名なのですが、こちらはまた別の機会に紹介したいと思います。 この物語は人類が太陽系の各惑星に進出した時代、月面地下トンネル、火星の与…
初回は野尻抱介の「太陽の簒奪者」です。2006年、突如観測されるようになった水星吹き上げられる鉱物資源はやがて太陽を取り巻くリングを作り始め、その影響で地球への日光は遮られ、人類は滅亡の瀬戸際に立たされます。危機を打開するためにたった1隻建造さ…