三体

多分皆さんは三体問題を聞いたことがあると思います。安定解の存在しない問題として有名ですが、この小説、三体に登場するのは3連星系の恒星系に生まれた異星人三体人による地球侵略計画を描いた三部作の第一部になります。 文革時代の中国、科学者であった父親を殺された娘から物語は始まります。絶望した彼女は中国の山奥に建造されたパラボラアンテナを備える軍事基地でのプロジェクトにスカウトされます。 そこで進められる計画に携わる彼女は得た知識からある計画を実行します。 一方近未来のナノテクノロジー素材の研究者汪森は招待された会議で世界的な科学者が次々自殺しているという事実を聞かされ、その背後に見える「科学フロンティア」なる組織への潜入を要請されます。しかし彼が趣味の写真を撮ると必ず謎のカウントダウンがどこかに写りこみ、やがて彼の視界にもカウントダウンが映るようになるゴーストカウントダウンが始まります。 原因のつかめない現象によって追い込まれていく汪森ですが、3つの太陽を持つ惑星を舞台にしたVRゲーム、「三体」の情報を手に入れます。そのゲームをプレイしていくうちにやがては三体人たちの思惑や彼らの計画を知ることになります。 中国発のSFとして中国やアメリカで大ヒットしてから満を持して日本に上陸した本作、SFとしての完成度はもちろん高く、なおかつエンターテイメイント性も高いため非常に読みやすくできており、あまりSFを読まない人でもその醍醐味をしっかりと味わえるおすすめの作品です。 三部作の第二部「黒暗森林」は明日(のつもりで書いていましたが今日ですね)発売です。多分本屋に行けばまとめて売られていると思うので是非読んでみてください。 www.hayakawa-online.co.jp www.hayakawa-online.co.jp 追記 この紹介を書いたのは2020年6月ですが、現在黒暗森林、死神永生が発売され完結しています。