鋼鉄の犬

ソフトバンクがボストンダイナミクスを売りに出すとかいう話がされていますが、今回はボストンダイナミクスの犬型ロボットが活躍する戦争小説、鋼鉄の犬を紹介しようと思います。 舞台は内線の真っ只中の砂漠の国。主人公アルは元アメリカ軍で軍用犬のハンドラーをしていましが仕掛け爆弾により負傷、退役します。その後民間軍事会社に雇われた彼に与えられたのは犬型ロボット、BDY-9を戦場でつかえるように「調教」する仕事でした。 最初は戸惑うアルでしたが、次第にロボット犬に愛着が生まれてきます。しかし内線は本格化し、アルたちの基地も巻き込まれていくことになります。 ロボットの利用に本物の犬の調教師を使うという発想はなかなか面白く、作中での描写もしっかりしているので違和感もありません。 米軍では不発弾処理用ロボットに兵士が愛着をもち、処理中に爆発に巻き込まれ破損して新品に交換しようとしたところ修理するよう要求される、といった事態もあったそうで、今後ロボットの配備が進めば兵士たちとどのような関係を築いていくのか考えさせられます。 小説のジャンルは戦争小説になりますが、同時にライトノベルでもあり、描写もそこまで重くならずに楽しむことができます。重い描写がないからといってリアリティがないとかご都合主義だといったこともないので安心です。 僕はボストンダイナミクスのビックドックが好きなのであれが主役格として出てくるというだけで買いなのですが、一風変わった戦争小説としても、犬好きの人にもおすすめなので是非読んでみてください。 日本人作家で出たのも去年なので皆さんが売り上げに貢献してくれると続編が出るかもしれないのでよろしくお願いします。 www.amazon.co.jp