冬の巨人

今回はSFというよりかは幻想小説的な側面の強いライトノベル冬の巨人を紹介しようと思います。 千年にわたって広大な雪原をさまよい続ける存在「巨人」、その曲がった背中の上には熱を取り出すための穴が穿たれ、そのうえで人々は街を作り暮らしていました。 巨人の外に人がいるかは誰も知らず、巨人がなぜ歩いているのか、目的はあるのかさえ分かっていません。 そして巨人から得ていた熱も次第に減少しつつありました。 主人公はとある教授の助手を務める少年、オーリャで、教授とともに巨人とは何か、巨人の外には何があるのか、この世界とは何なのかを問うています。 蒸気機関などが多数登場するスチームパンク的な雰囲気や次第に熱が失われていく極寒の世界の寂寥とした雰囲気など、僕好みの雰囲気が物語全体に満ちていて心地よい気分になれます。 ライトノベルと書きましたが、ストーリー全体としてはオーリャが不思議な少女レーナと出会う物語です。この物語も世界観の持つ雰囲気を損ねることなくうまく調和し、同時に十分に読みやすく理解しやすいものに仕上がっています。 あまりページ数も多くなく一巻完結、kindleなら500円と少しで読めますので春休みに少し本でも読んでみようかと思ったらいかがでしょうか。

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