7人のイヴ

今回は突然月が7つに分裂するところから始まるパニックSF、「7人のイヴ」を紹介したいと思います。 観測の結果、分裂した月は互いに衝突を繰り返し細かい欠片となっていき、数千年にわたって地上に無数の隕石となって降り注ぐ<ハード・レイン>が2年後に始まり、地上は人類が生存できない環境になることが導かれます。 各国政府はこの事態に対し国際宇宙ステーションを拡張し人類を宇宙に移住する計画がスタートします。 第1部ではこの計画を進めるための人々の奮闘と対立が描かれ、第2部では宇宙ステーションを核とした小型宇宙船の群れ、クラウド・アークを舞台に物語は展開します。 人類最後の1500人となったクラウド・アークの人々ですが、生き残りのための方策から対立し、二つの派閥に分かれていきます。そんな中独自に動いていた宇宙ベンチャーが氷でできた巨大な彗星の回収に成功し、事態はさらに混迷を深めます。 最終章となる第3部では第2部の後数千年が経過し、地上を取り巻くリング状の宇宙ステーション群を運用するまでに復興を遂げた人類が描かれます。 新☆ハヤカワSFシリーズという縦長の変わった形の本で全三巻として売られていますが、上下巻に分けて現在文庫版が発売されているのでそちらを読んでもいいでしょう。(まあ文庫版片方で600ページくらいありますけど) www.hayakawa-online.co.jp