スチームオペラ

一日空いてしまいましたが第5回はミステリとスチームパンクを掛け合わせた一編、「スチームオペラ」を紹介しようと思います。 蒸気機関が発達した世界、エーテルが実在しそれを利用した空中船が空を飛ぶ巨大都市、そこではエマという少女が高名な冒険家である父の船を迎えるため空中船発着場に向かっていました。 船に入ったエマはガラスの箱の中に閉じ込められた少年を発見し、彼を解放指定しまいます。そして彼女は名探偵ムーリエとともにこの巨大都市で起こる様々な不可能犯罪を解決することになります。 さて、ミステリとスチームパンクを掛け合わせた本作はミステリとしてみると(ミステリあまり詳しくないのですが)スチームパンク世界特有の制約がトリックを解くカギになっていたりするなど完成度が高く楽しめます。 スチームパンクとしてもジューヌ・ベルヌの作品に出てくる様々な発明が登場したりするなど、あちこちに楽しめる小ネタが仕込まれています。 ストーリー自体も王道を行ってわかりやすいため割と気楽にサクッと読める一作になっています。 まあ個人的にはスチームパンクは混沌とした世界であってくれると好みというか、完全な理想世界を描いてそれと別のものを対比するような構造があまり好きではないのですが(詳しくはネタバレのため控えますが)。 まあ、読みやすくきれいにまとまっているので読んで損をする作品ではないです。 www.tsogen.co.jp