銀河ヒッチハイクガイド

いつも真面目な小説ばかり紹介しているので今回はギャグ小説、「銀河ヒッチハイクガイド」を紹介しましょう。 googleで「宇宙・人生・すべての答え」と聞くと多分「42」と答えてくれると思いますが、その元ネタになったSF小説です。 ギャグ小説と書きましたが、この小説の作者はイギリス人なので、隅から隅までイギリスらしい皮肉とブラックジョークであふれています。 物語の始まりは主人公アーサー(実はチンギス・ハンの子孫らしいが一番最初以外その設定は出てこない)が市役所の廊下の薄暗いところに貼られていた異議申立期間が過ぎたため自宅前に取り壊しにやって来たブルドーザーの前で寝っ転がる必死の抵抗をしている場面から始まります。その時友人に呼び出され会いに行くのですが、その時いくつもの宇宙船が世界中に出現し地球自体が超空間ハイウェイ建造のために取り壊されてしまいます。 そしてアーサーは友人(取り壊されることを知っていた宇宙人)とともにどうにか救助された宇宙船に乗り込み、銀河の旅出発するのでした。 その後彼らはヒッチハイク嫌いのヴォゴン人に見つかり放り出され、黄金の心号という宇宙船に救助されます。その乗員であるザフォド、ザフォドにナンパされた地球人トリリアン、人間そっくりの心を持った宇宙初のロボットマーヴィンとともに伝説の星マグラシアを目指すことになります。 そしてたどり着いたマグラシアでは先述した宇宙・人生・全ての答えではある宇宙種族が究極のコンピュータを製作し、それに宇宙・人生・全ての答えを計算させていました。仕事が奪われると反対した哲学者たちも計算に何百年とかかると知り、その間この機械についての哲学的な講演を行えば今まで以上にもうけが出ると分かったため賛成に回りました。そしてついに計算は終わり、コンピュータが重々しく答えを告げる日がやってきます。 その他にも人を馬鹿にしたようなジョークが止まることなく繰り出され続けます。そんなわけで人を選ぶ小説ではあるかもしれませんが、少なくとも僕のセンスには結構あっていたので楽しく読めた記憶があります(読んだの大分昔なのでこれまでの紹介にも齟齬があるかもしれません) イギリス流ユーモアにSFを掛け合わせた唯一無二の作品である本作、とりあえず一度は読んでみてはいかがでしょうか。 www.kawade.co.jp